SHIEN学とは

重なりのなかったところに重なりを創り、

『してもらう・してあげる』ことを相互に交換する

SHIEN学とは、「SHIEN原理をベースとし、日常生活から経済・政治・国際関係まで敷衍できるようにする理論と実践のこと」です。そして、SHIEN原理とは、「従来、重なりのなかったところに重なり(相互浸透過程)を創って、『してもらう・してあげる』ことを相互に交換すること」です。

 

輸送技術やITの革新的な発達によって、個体間の関係性が飛躍的に高まり、他者のわずかな変化がいつどのような衝撃をもって自分に現われてくるかは、もはや誰も予想できなくなりました。このような複雑で不確実な時代には、対象を静的にとめて、計画を立てそれを粛々と実行するというような事前決定的なあり方では問題が解決し難くなっています。むしろ、関係性を持って動いている現実に自ら参加・構成し、動態的なプロセスそのものを高めていくことによって問題が解けることがわかってきました。

 

分業による協業のように役割をあらかじめ決め、互いにその役割を「させたり、させられたり」するのではなく、重なりを創って、互いの力を引き出しあいながら、「してもらったり、してあげたり」しながら、思わぬ解決策を立ち上げていく。高度経済成長時代の「こうすれば、こうなっていた」時代から「こうしても、こうならない」時代の科学が求められているのです。

 

科学も事前決定的なあり方から、同時形成的なあり方にシフトしてきています。また、将来は未来来迎的なあり方に変化していくと予想されます。SHIEN学は、新たな科学を拓くための学問であり、その知見の集積と確立が、現在の社会の喫緊の課題であると私たちは考えています。


Photo by Megu ITO